シマリスのお部屋

元国語の先生が教育のことについて本気で考えていくよ。

不老不死を目指す友人と会って退職を決意した時の思い出

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退職代行サービスが話題だ。

言いにくいことを言ってくれるだけのその辺の退職代行と違い、

社労士や弁護士など、法律相談までやってくれる

本格的な事務所らしい。

 

いいね。

辞めたいと思ったら即やめれる。

 

 

これを見て、自分も前の職場をやめるきっかけを思い出したので、

それを思い出しつつ。

 

 

その夏、私は京都にきていた。

端的に言って仕事にうんざりしていた。

 

色々あって、過呼吸になってたら

「大丈夫よ〜。まだ血尿でてないし、急に倒れて救急車も呼んでないっしょ。」

「一年後くらいには慣れてくるだろうから気楽にね〜〜」

と笑い飛ばされる職場である。まあ、色々あったのだ。

 

そこで京都へリフレッシュ。

最後の気力を振り絞って現実逃避をしていた。

 

友人は齢30にして「不老不死」の研究がしたいと一年発起し、

大学院に進んだ人物である。

大学自体も色々あって10年かけて卒業している。

情報科、数学科、同じ大学を入学・卒業・浪人・入学・卒業、

青春をしゃぶりつくしたらしい。

それでもまだ足りずにおかわりと、大学院で好きな研究をしている。

 

生活費?

もちろん親からは離縁。

しかし東大京大より大学のレベルを下げて奨学金をとり、

衣食住を極限まで減らせば、あとはバイトでなんとかなってしまうらしい。

引っ越し道具はダンボール二個に詰め込んで宅急便で終わったと笑っていた。

 

まあ21世紀だしね。

不老不死もあってもおかしくないかもね。

遺伝子工学とか、サイボーグ工学とか、脳科学とか。

最近はそういうの色々あるんでしょう。

 

会ってケラケラお話を聞かせてくれた。

「知ってた?ネズミってちゃんと感情があるんだよ。

今そんな実験していてさ、うんたらかんたらうんうん」

そういうのをキラキラとした目で話す彼は輝いていた。

ああ、好きなことをやっているんだーと。そう感じた。

 

好きなことを仕事にして、

むしろ仕事にしなくても好きなことをやるだけでも

人生なんとかなるんだなあー。と。

彼はそんなことを教えてくれた。

 

私は、今の仕事を、(少なくとも今の職場を)やめよう。

そう思った。

 

 

別れ際に聞かれた。

「不老不死を信じますか?」

「哲学的に言うならば、それはもう実現していると思う」と私は答えた。

 

今だってもうすでに360才を超えてなお生き続けている人がいる。

歌舞伎役者、初代市川團十郎は1660年生まれ。

彼の芸、能力、知識、立ち振る舞いは、今もなお名前そのまま残っている。

若者が芸をそっくりそのまま襲名することで、

彼はなんどでも生き返る。

 

ソクラテスだって、キリストだって、

彼らはまだ現代まで生き続けているではないですか。

 不老不死をめざすのも面白そうだけど、

そっちでめざしたいな。

 

当時現実が辛すぎて、職場に合法的に火をつけて安楽死したいなー。

とか思っていたくせに、謎の見栄を張って私はそう答えた。

 

おそらく「これ」は彼の求めている答えでは

なかったのだと思う。

 そして友人と私は別れ、

私は鬼のような現実に戻った。

 

そしてその半年後、

私は職場を辞めた。

 

人生は苦しむためにあるのではない。と教えてもらったので。

 

まとまらないけれど、退職はいいぞ。

さあレッツ退職

 

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