シマリスのお部屋

元国語の先生が教育のことについて本気で考えていくよ。

やりたいことない凡人でも幸せになれるよ

肩書き、キャリア、将来設計。

 

私たちは、目標を決めて、切磋琢磨していく。

しかし、私はまだモラトリアムを続けている。

 

「やりたいことなんてまるでない」

 

そんな私でもふにゃふにゃ生きている。

迷いは消えてきた。私は何者にもならない。

 

そのことについて記録しておきたい。

 

章立て

1, 今のやっていること。

2, 誰もがやりたいことをできるわけではない

3, みんながキラキラ輝く必要はないのでは?

4, 「私のやりたいこと」

 

1, 今のやっていること。

去年の11月に転職し、ITエンジニアとしてのキャリアが始まった。

現時点で私は27歳。

エンジニア35歳定年説も迫っているし、

意外と私に残された時間は少ない。

 

コーディングを極めるのか、

コンサルを勉強するのか、

マネジメントに挑戦するのか、

はたまた別の道へ進むのか。

 

「将来の夢はお嫁さん

なんて言ってる歳でもないでしょう。」

とは友人の談。うん。そうだね。

 

私は目標を決めて、何者かへ成る準備をしなくてはならない。

 

これからプログラミング力をつけるとして、どんな専門家になりたい?

インフラ? データ分析? データベース? 機械学習? 保守? IoT?

なんでもできるよ。なんでも言ってね。

 

SESとして派遣されてほやほや新人エンジニアの私に、

客先のリーダーエンジニアはそう言った。

驚いたが、そんな社風らしい。

 

客先は派遣の人間でもやりたいことを尊重し、

「挑戦したか」どうかで評価する。

器用貧乏より、何かの専門家。そちらを重視するらしい。

そして定期的に面談で聞かれるのだ。

「君は何がしたいんだい?」

 

......困った。。。

普通に困ってしまった。

 

2, 誰もがやりたいことをできるわけではない

 

恥ずかしながら、やりたいことなんて、ないのだ。。

真面目に、真面目に生きてきた。

 

社会は理不尽なものと割り切って、

上が言うことには絶対服従

意味のわからない時代錯誤な風習も

「まあ、そんなものだよね」で乗り切った。

 

サボることが絶望的に下手なので、

ちょっと周りを真似してサボってみると、

すぐさまバレて怒られるし、

真面目に地味に生きた方が楽なんだと悟っている。

 

仕事は言われたこと、決まっていることを

粛々とやるものなのだ。

 

長々と書いてしまったが、

要するに、やりたいことがないのである。

 

それでも、客先のリーダーが言うならと、

真面目に、自分のやりたいことを考えた。

 

しかし、ポッと出の新人の頭には

そんな美味しいネタは湧いてこないのだ。

 

「それをやって、どんな影響があるの?」

「それ作って、誰が使うの?」

工数かかりそうだけど、その価値ある?」

「それ、金になるの?」

総ツッコミが降ってきて、そのまま終わる。

 

はい。。世間知らずのビジネスに不慣れな新人が

機械学習みたいな新技術に手を出してもゴミを作るだけです。

 

客先の社員さんは優秀だ。

新人時代から自分の尖った意志を持ち、

自分のやりたいことを業務に落とし、金に変えていく。

それができるから、客先の正社員なのだろう。

だから、100%善意で言っている。

「あなたもやりたいことをやって、キラキラ輝いてね」

 

すみません。やりたいことなんてありません。

私は主体性のないゴミです。

強いて言うなら雑務をやりたいです。

テスターをして業務をちょっとずつ知りたいです。

言われたことだけやっていたいのです。

 

大体やりたいことをやって成功するなんて、

天才か経験者なのですよ。

孔子だって、やりたいことをやって道を外さない「従心」に到るまで

70年もかけてるじゃないですか。

 

言われたことをググりながらこなして、

リーダーから責めるわけでもなく、ただ淡々と事実を述べるように

「(仕事が)遅いね」と言われている人がやることではないのです。

 

当然のごとく休日も勉強した。

インフラ基礎、クラウドサーバー、

データベース設計、SQLアンチパターン

要件定義やプロダクトの作り方、見積もり

果ては顧客の業界知識まで、とにかく本を読んだ。

 

好きでやっているわけではない。

エンジニアとしてよかったのか、

転職して早々、燃え尽きそうだった。。

 

3, みんながキラキラ輝く必要はないのでは?

 

エンジニアでいいのか、

こんなキラキラ企業に半人前の自分がいていいのか。

 

私って何がやりたいのかな。。

 

そんな時、自社の社長は言ったのだ。

「僕だってやりたいことはない。」

 

僕はちやほやされたいだけなんだ。

みんなが喜ぶことをやる。

みんながいやがることを代わりにやってあげる。

そしてみんなから褒めてもらう。

それが僕のやりたいことなんだ。

 

......目の前がひらけたような気がした。

 

私のやりたいことは、

世間的に言えば、偽善行為なのだ。

 

隣で、新人の私の質問に根気強く答えてくれる、

優しいお兄さんが残業しているから、

自分の仕事を早く終わらせて巻き取りたい。

 

頼んだ仕事を達成すると、大げさに喜んでくれる

客先の社員さんがいるので、難しくても頑張ってほめられたい。

 

低俗だけど、私もチヤホヤされたいだけなのだ。。

 

だから私は保守運用を志願した。

客先に納品する仕事なので、エンジニアが嫌うというテスト作業が多い。

障害が生じれば、前任者がいないままコードを読んで原因を推理する。

まあ、言ってしまえば地味だ。

 

でも、私はその仕事が好きなのだ。

だってありがたがられるから。

 

それで天才の社員さんの手が空いて、好きなことをやって輝けるなら、

そっちの方が会社の利益は向上するんじゃない?

 

なんでもやる雑務作業。専門家にはなれないけど、

0から1を作り出す仕事よりよほど合っていた。

 

4, 「私のやりたいこと」

 

客先の会社は、言ってみれば、「キラキラ企業」です。

社員さんはとんでもなく優秀だし、

人柄優しいし、労働時間も適正。

 

それでも、私には、合わなかった。

 

それでも、生きていい気がします。

そういうこともある。 

 

やりたいことなんていらない。

「やりたいことをやるからこそ情熱もやる気も湧いて成果があがる」

なんて客先の社員さんは言うけれど。

私にとっては仕事は、責任感と義務感があれば普通に一定値で回るわけで。

 

だから「何者になれなくてもいい」

ただ、周りをみて、業務を理解して、

必要とされていることをやっていけばいいのでは?

と思っている。

 

私はきっとグー○ルにはいけない。

それでも凡人として幸せになれるだろう。

 

そんな気がする。

 

半年間、無駄に悩んでしまったので、

モラトリアムに悩める人間に

届くことを願って。。